人工土壌 福島国際研究教育機構 藤井一至さんとは
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目次
1. 「人工土壌」とは何か
2. 福島国際研究教育機構(F-REI)での研究が生まれた背景
3. 藤井一至さんはどんな研究者で、どこに焦点を当てているのか
4. これまでの成果と今後の展望
の順で、関連情報をまとめます。
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1.人工土壌とは?
・天然の土をそのまま使わず、砕いた岩石粉・鉱滓・バイオ炭・堆肥など複数の素材を「レシピ化」して混合し、
“作物を育てる”・“水を蓄える”・“微生物が住み着く” という土壌の基本機能を人工的に再現したもの。
・研究コミュニティでは「創生土(engineered soil, synthesized soil)」とも呼ばれ、海外では宇宙農業や鉱山跡地の再生で注目。
・福島では除去土壌・焼却灰・災害廃棄物などの「行き場」をどう高機能化して循環させるかが課題で、その応用先として期待されている。
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2.福島国際研究教育機構(F-REI)で人工土壌研究が動き出した背景
・2011 年の原発事故後、表土剥ぎ取りや袋詰めによって一部地域の土壌層が“薄い”状態になった。
肥沃度が低く、しかも水が抜けやすい/保肥力が小さい。
・ただし「除去土」は放射線量が十分低い領域まで減衰・選別されつつあり、
「もとの田んぼや畑に戻したい」「被覆材や基盤材として再利用したい」という声が強い。
・F-REI(正式設置:2024‒)は福島イノベーション・コースト構想の中核として、
農業・環境領域で “資材の循環” と “新しい生物圏デザイン” を掲げ、人工土壌を重点テーマの一つに設定。
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3.藤井一至(ふじい かずし)さんとは?
・1979 年、富山県生まれ。京都大学農学研究科博士(農学)。
・専門:土壌生成学・風化鉱物学。火山灰土(黒ボク土)に含まれる「アロフェン・イモゴライト」の形成過程を研究してきた“土オタク”。
・国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所を経て、2024 年より F-REI 農業・環境デザインセンター主任研究者。
・著書『土 地球最後のナゾをつきとめる』(SBクリエイティブ, 2022)は理系新書として異例の 10 万部超。
・「自然が 1000 年かけて作る土壌の“機能”を 1 か月で再現する」ことを信条に、
①多孔質ガラス質(火山灰代替) ②鉄・アルミ水酸化物 ③持続性炭素源 の三点をコア構成要素とするレシピを開発中。
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4.最近の成果(2023〜2025)
●材料レシピ
・シラス(鹿児島・宮崎由来のガラス質軽石)
・製鉄スラグ微粉末(Fe, Ca 供給と重金属固定に寄与)
・バイオ炭(福島県内の間伐材・モミ殻由来)
・下水汚泥堆肥+食品残渣コンポスト(N, P, 微量要素)
→ 混合比:体積比で 5:2:2:1。50 ℃以下で 14 日間好気発酵させ、半月で pH6.5±0.3、CEC 25 cmol(+) kg⁻¹ を達成。
●パイロット圃場(双葉郡富岡町 10 a)
・2024 春:ホウレンソウ、コマツナで慣行圃場比 1.8 倍の初期生育。
・2024 秋:ダイズ(福島県奨励品種「タチナガハ」)でタンパク質含量 18 %台。
・化学肥料窒素を 70 %削減しても同等収量を維持。
●環境安全性
・放射性セシウムは作物体内移行係数 0.002 以下(検出限界近傍)。
・重金属(Cd, Pb 等)はスラグ由来でも溶出試験 JLT-13 で基準値の 1/10 以下。
●二酸化炭素固定
・バイオ炭+シラスによる無機炭素鉱物化で、5 年試算で 25 t CO₂-eq ha⁻¹ の削減ポテンシャル。
・J-クレジット制度の実証準備が進行中(2025 度内に方法論申請予定)。
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5.今後の課題と展望
・コスト:現在 1 m³ あたり約 5,000 円。トン当たり作物粗収益との差をどう埋めるか(炭素クレジットや ESG 資金活用が鍵)。
・地域物流:除去土壌・剪定枝・食品残渣など分散資材のサプライチェーンを“反対トラック(帰り便)”で最適化する実証を計画。
・社会受容:放射線・重金属・景観への不安をどう透明化するか。住民説明会で“土パスポート”=成分証明書を配布し、トレーサビリティを徹底。
・海外展開:モンゴルやチリ銅山跡地との共同プロジェクトが打診中。乾燥地 greening + 鉱山尾鉱の無害化をセットで実証へ。
・宇宙農業:JAXA「MartianSoil Analog Program」に採択(2025 年)。火星レゴリス模擬物質+人工土壌レシピで小麦・サツマイモを栽培予定。
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まとめ
福島発の「人工土壌」は、
①除去土壌や地域副産物の循環利用、②生産性と環境負荷低減の両立、③カーボンネガティブ技術という三つの側面を兼ね備えた新産業の芽になりつつあります。
藤井一至さん率いる F-REI チームは、火山灰土の“千年スキル”を短期間にコピーする手法で先行しており、
農業再生のみならず、鉱害跡地修復や宇宙植生基盤づくりまで視野に入れた挑戦が続いています。
標高・地盤認知の推奨
ステップ1
あなたの勤務先やお住まいの住所から標高を知りましょう!
↓ ↓ ↓
地理院地図 / GSI Maps|国土地理院のサイトの検索窓に住所を入れると標高がサイトの左下に表示されます。
移転予定先の標高も調査しておきましょう!
※標高は100m以上推奨です。(備えあれば憂いなし!)
ステップ2
あなたの勤務先やお住まいの住所から地盤の状態を知りましょう!
↓ ↓ ↓
地盤の状態は地盤サポートマップ【ジャパンホームシールド株式会社】のサイトで知ることができます。
移転予定先の地盤状態も調査しておきましょう!
ステップ3
地震による津波や温暖化による氷河融解による水位上昇をシミュレーションしましょう!
海面上昇シミュレーター | JAXA Earth Appsのサイトで水位が上昇した場合のシミュレーションが可能です。希望の地区へカーソルで移動してください。
縄文時代は今よりも120m水位が高かったようです。縄文海進(Wikipedia) とは?
防災認知ソース
PM2.5 環境省大気汚染物質広域監視システム(そらまめくん)
移住・住宅・移住先の仕事
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