大分市中心部を震源とする大地震・陸上噴火・海底噴火の複合災害想定
はじめに――このレポートの位置づけ
大分市中心部の直下で最大震度7の地震が起き、別府湾周辺で陸上の火山噴火と海底噴火も発生する、という極端な仮想シナリオを検討します。地震による建物倒壊や工場被害に、津波、降灰、港湾の停止が重なった場合、何が起こり得るかを具体的に描くものです。
最初に、二つの重要な限界を明示します。
- 日本の震度階級では震度7が最大です。「震度7以上」は、本レポートでは「中心部で震度7に達する、極めて強い揺れ」と読み替えます。
- 大分市中心部直下の地震、陸上噴火、別府湾内の海底噴火が同時に起きるという公的な予測はありません。 海底噴火の発生地点や津波の高さを裏づける観測・計算結果も、ここでは提示できません。以下の人数、棟数、金額、到達時間は、防災上の影響を考えるための条件付きの概算であり、発生確率や公式被害想定を示すものではありません。
大分県は、中央構造線断層帯などを対象に地震・津波被害を調査しています。ただし、その調査対象と、ここで設定する「市街地直下地震と二つの噴火の同時発生」は別物です。既存の県の推計値を、このシナリオの予測値として転用しません。〔大分県「大分県地震被害想定調査報告書」、2019年3月〕
1.想定する発災条件
被害の幅をある程度具体化するため、次の条件を置きます。いずれも本レポートの仮定です。
- 発生時刻: 冬の平日、午後6時ごろ。帰宅時間帯で、中心市街地、駅、道路、商業施設に人が多く、暗くなるにつれて救助も難しくなる条件です。
- 地震: 大分市中心部付近の地下約10~15キロメートルを震源とする、マグニチュード7級の浅い地震。中心部から沿岸の一部で震度7、周辺に震度6強~6弱の強い揺れが広がると仮定します。市中心部の真下に、その規模の地震を起こす特定の断層が確認されている、と主張するものではありません。
- 陸上噴火: 別府市側の鶴見岳周辺で噴火が始まり、風向きによっては大分市方面へ火山灰が流れると仮定します。噴石や火砕流の危険は主に火口に近い地域を想定し、大分市中心部まで火砕流が到達する設定にはしません。
- 海底噴火: 別府湾内の仮想的な海底火口で噴火が発生し、海底地形の崩壊や海水の急激な変位を伴うと仮定します。海底で噴火すれば必ず大きな津波が起きる、という意味ではありません。 津波を生むための海底変形を追加条件として置いています。
- 対象人口: 被害計算の便宜上、大分市内の滞在人口をおおむね47万人規模と仮置きします。正確な当日の人口や地区別滞在人口を示す値ではありません。
- 気象・海況: 沿岸では満潮に近い時間帯、陸上では降灰が市街地へ向かいやすい風向きを想定します。雨や強風が加われば、灰の影響や避難条件はさらに変わります。
大分市は、中心市街地、住宅地、別府湾沿岸の港湾・工業地帯、内陸の丘陵地を併せ持ちます。そのため、同じ市内でも「倒壊が主な危険となる場所」「浸水が主な危険となる場所」「土砂災害が主な危険となる場所」は異なります。以下の市全体の数値を、個々の町丁目にそのまま当てはめることはできません。
2.被害の全体像――この仮定での概算
上記の厳しい条件が重なり、避難や初期消火が十分に機能しない場合、市内を中心とする被害を次のように想定します。
- 死者:約2,000~8,000人。 想定する季節、建物の耐震性、津波避難の成否、同時多発火災の規模によって大きく変動します。さらに条件が悪化する極端な場合には1万人規模に近づく可能性を否定できませんが、これは予測値ではありません。
- 負傷者:約1万5,000~4万5,000人。 軽傷から重傷までを含む概数です。このうち、長時間の閉じ込めや高度な治療を要する人が相当数生じ得ます。
- 全壊建物:約1万5,000~3万5,000棟。半壊建物:約3万~7万棟。 延焼による焼失を別途約2,000~7,000棟と想定しますが、全壊・半壊・焼失には判定上の重なりがあり得るため、単純には合計しません。
- 避難生活を余儀なくされる人:約15万~30万人。 避難所だけでなく、親族宅、車中、宿泊施設、市外への避難も含む規模感です。ある時点で避難所に集中する人数は約7万~16万人を仮定しますが、両者を足し合わせる数字ではありません。
- 直接的な資産被害:約3兆~7兆円。 建物、家財、工場設備、港湾、道路、上下水道などの損傷と復旧費用を主に想定します。
- 間接的な経済損失:約2兆~5兆円。 生産・物流・観光の停止などによる損失を、主として発災後1~3年の範囲で考えた概算です。
- 直接被害と間接損失を合わせた規模感:約5兆~12兆円。 二重計上を抑える考え方を取った場合の説明用の幅であり、精密な経済モデルの結果ではありません。
数値はすべて、この複合災害を仮定して作成した概算です。 大分県や大分市の公式推計ではなく、地区別建物データ、津波の数値計算、火山灰の拡散計算、事業所別の損失計算を積み上げた結果でもありません。幅の上端だけを取り出して「予想される被害」と表現することは不適切です。
3.発災直後に何が起こるか
最初の数十秒――市街地を襲う強い揺れ
午後6時、中心部付近で強い揺れが始まります。震源が浅く市街地に近いという仮定では、緊急地震速報を受け取ってから強い揺れが来るまでの時間は短く、場所によっては十分な行動時間を確保できません。
耐震性の低い建物では倒壊や一部損壊が起こり、耐震性のある建物でも天井、ガラス、外壁、設備機器が落下し得ます。家具の転倒、エレベーターの停止、駅や商業施設での転倒事故も重なります。人が集中する時間帯のため、建物そのものが倒れなくても、屋内外で多数の負傷者が出る可能性があります。
地震直後には、目に見える被害のほかに、地下の水道管やガス管、電力設備、通信設備の損傷が進行します。信号機の消灯や路面の段差によって、消防車・救急車が数キロ先の現場へ向かうだけでも時間を要するでしょう。
数分以内――停電、火災、沿岸への警戒
揺れが収まる前後に、電力系統の保護動作や設備損傷による停電が起こります。火を使う家庭や飲食店、事業所では出火の危険が生じます。停電そのものが直ちに火災を意味するわけではありませんが、倒れた器具、損傷した配線、再通電時の異常など、原因が異なる火災が時間差で発生し得ます。
沿岸部では、揺れによる護岸の損傷や液状化が起こり得ます。液状化は、水を多く含む砂地盤が強い揺れによって一時的に強度を失い、地面の沈下や噴砂を起こす現象です。港湾の埋立地、河口付近、低地では、地面の亀裂、道路の段差、岸壁のずれが避難や消防活動を妨げる可能性があります。
海底噴火についての情報がまだなくても、沿岸で強い揺れを感じた人は、津波情報を待たずに高い場所へ避難する必要があります。 このシナリオでは、地震による海底変位に加え、仮想的な海底噴火に伴う変位も津波の要因としているためです。
数十分以内――津波、噴火情報、交通の集中
本レポートでは、沿岸の一部に津波の第1波が地震からおおむね10~30分程度で到達し得る厳しい条件を仮置きします。ただし、これは別府湾の実際の到達時間を計算したものではありません。震源、海底変形の場所・規模、水深、地形が変われば、時間も高さも変わります。
陸上噴火が確認されれば、風下では降灰が始まります。しかし地震直後は通信が混雑し、津波・噴火・火災の情報を同時に把握することが難しくなります。「どこから、どちらへ逃げるべきか」が災害ごとに異なることが、複合災害の難しさです。沿岸では津波を避けるための高所への移動を最優先とし、火山灰が降る地域では灰の中を長時間移動しない経路の確保も必要になります。
4.地震による建物被害と人的被害
建物の倒壊・損傷
大分市中心部直下で震度7に達するという仮定では、建物被害が最も広く発生します。耐震性が不足する木造住宅や古い建物では、柱・壁の破壊や1階部分のつぶれが命に直結します。一方、比較的新しい建物でも無被害とは限りません。構造体は持ちこたえても、外壁、天井、窓、間仕切り、空調設備が損傷し、使用できなくなる場合があります。
中心市街地では、倒壊した建物だけでなく、落下物や割れたガラスが歩行者を傷つけます。集合住宅でエレベーターが止まれば、高層階の住民の避難、水の運搬、要介護者の搬送が困難になります。地震後に建物が立っていても、余震や部材の落下が懸念されれば、すぐに戻れるわけではありません。
概算では、全壊約1万5,000~3万5,000棟、半壊約3万~7万棟という大きな被害幅を置きました。ただし実際の棟数を推定するには、地域ごとの建築年代、構造、耐震改修率、地盤条件、震度分布が必要です。ここでの数字は「中心部直下の強い揺れが広範囲に及んだ場合、住宅・事業所の双方で甚大な被害が生じる」という影響規模を表します。
地盤の変形と土砂災害
被害は揺れの強さだけでは決まりません。沿岸低地や埋立地では液状化により、建物の傾斜、地中管の浮き上がり、道路の段差、港湾設備のずれが起こり得ます。建物が倒壊しなくても、基礎や周辺地盤の損傷で使用を停止せざるを得ない場合があります。
内陸の斜面や造成地では、崖崩れ、盛土の変形、擁壁の破損に警戒が必要です。地震で緩んだ斜面に、その後の雨が加わると、発災当日には無事だった場所で遅れて土砂災害が起きる可能性もあります。山間部や丘陵地の道路が寸断されると、集落への物資輸送や通院が難しくなります。
人命への影響
死者約2,000~8,000人という想定には、倒壊、津波、火災、土砂災害、救助・医療の遅れなどが含まれます。内訳をあえて例示すると、次のような規模感です。
- 建物倒壊や落下物など、主に揺れによる死亡:約1,200~4,000人。
- 津波による死亡:約400~1,800人。
- 火災や、医療・救助の著しい遅れに関係する死亡:約250~1,200人。
- 土砂災害や噴火に関係する死亡:約50~500人。
これは死因を厳密に判定した集計ではありません。例えば「地震で負傷し、避難中に津波に巻き込まれた」場合には分類が難しくなります。各項目の上限を機械的に足して確定値にすることはできません。
負傷者には、倒壊した建物に閉じ込められた人だけでなく、避難中に転倒した人、ガラス片でけがをした人、火災でやけどを負った人、粉じんで呼吸器症状が悪化した人も含まれます。死亡者数を減らすうえでは、発災直後の救出だけでなく、搬送先の確保と、透析・在宅酸素など継続的な医療を守ることも重要です。
5.火災と危険物施設への影響
同時多発火災
午後6時という設定では、家庭での調理、飲食店の営業、工場・事業所の稼働が重なります。地震で広い範囲の消火栓が使えなくなり、消防車の通行も妨げられると、個々の火災を早期に抑えられないおそれがあります。
本レポートでは焼失建物約2,000~7,000棟という幅を仮定しました。ただし、延焼規模は風速、建物の密集度、発火件数、水源の状態、消防力によって大きく変わります。大規模な延焼が起きない可能性もあり、反対に、悪条件が重なると想定の上限を超える被害もあり得ます。
停電後、避難していた住宅や店舗に電気が戻る際にも注意が必要です。損傷した電気機器や配線を確認せずに通電すれば、火災につながる場合があります。事業所や家庭の復旧は、単に「電気が来たら終わり」ではありません。
工業地帯の連鎖事故
大分市の沿岸部には、港湾と結び付いた大規模な工業・物流機能があります。強い揺れや液状化で、製造設備、配管、貯蔵設備、岸壁、電源が同時に損傷した場合、事業者は操業を停止し、安全確認を優先することになります。
起こり得る二次被害には、設備火災、危険物の漏出、貯蔵物の流出、港内での船舶事故があります。ただし、特定の工場で爆発や有害物質の放出が必ず起こると予測するものではありません。 設備ごとの安全装置や耐震対策、操業状態によって結果は異なります。
仮に工場敷地内の被害が限定的でも、受電設備、工業用水、港湾、搬入道路の一つが止まれば生産を再開できないことがあります。沿岸部の産業被害は、大分市内にとどまらず、原材料を使う企業や製品の納入先にも波及します。
6.別府湾で津波が発生した場合
津波を起こす条件
このレポートの津波は、「大分市中心部の直下地震だけで必ず大津波が起きる」と仮定したものではありません。地震や仮想的な海底噴火に伴って海底が十分に変位する、あるいは海底斜面が崩れるという追加条件を置いています。この条件が成立しなければ、ここで描く規模の津波は起きません。
とくに海底噴火と津波の関係は単純ではありません。噴煙や軽石が生じても大きな津波にならない場合があります。一方、大きな地形変化や崩壊を伴えば、沿岸への影響を考える必要があります。実際の高さを知るには、変位量と海底地形を入力した津波シミュレーションが不可欠です。
仮定する高さと浸水
影響を検討するため、沿岸の一部で海面の上昇や波の高さが2~5メートル程度、局地的な地形条件が不利な場所では5~8メートル程度に達するという厳しい条件を仮置きします。これは観測値でも、県や市が公表した浸水予測でもありません。
また、海岸での波の高さ、陸上で水が達する標高、浸水した場所の水深は、それぞれ別の値です。「高さ5メートル」という仮定から、特定の住宅街が5メートル浸水すると読み替えることはできません。護岸の状態、河川への遡上、地盤沈下、建物の配置によって、街区ごとの浸水は変わります。
影響が懸念されるのは、湾岸の港湾施設、河口に近い低地、沿岸道路、臨海部の工場・倉庫などです。岸壁が地震で下がった場所では浸水しやすくなり、係留施設の損傷は船舶や漂流物の被害を増幅させる可能性があります。一方、湾岸に近いというだけで、すべての地区が同じ深さで浸水するわけではありません。
津波による人的被害
沿岸部の就業者、物流関係者、通行中の人、住宅地の住民が、短い時間で避難を迫られます。このシナリオで津波死者を約400~1,800人と置いたのは、発生が夕方で、停電、道路の段差、火災、通信混雑が避難を妨げる条件を重ねたためです。迅速な徒歩避難が徹底されれば、被害は大きく減らせます。
車で一斉に逃げようとすると、信号機の停止や瓦礫、浸水前の渋滞によって動けなくなるおそれがあります。沿岸で強い揺れを感じた場合には、その場の状況に応じて、浸水が想定される低地から徒歩で高い場所や指定された津波避難施設へ向かうことが基本です。津波は第1波が最大とは限らず、いったん水が引いても、安全が確認されるまで戻れません。
7.陸上噴火――火山灰が市の復旧を遅らせる
火口周辺と大分市中心部では危険が違う
陸上噴火を鶴見岳周辺に置いた場合、噴石、火砕流、高温の火山ガスなど、噴火そのものによる切迫した危険は、まず火口に近い区域で評価する必要があります。本レポートは、大分市中心部をそれらの直撃域に設定していません。
大分市への主な影響として想定するのは、風向きが市街地側に向いた際の降灰です。火山灰は軽い綿のようなものではなく、細かな岩石の粒です。目や喉への刺激に加え、道路、鉄道、電気設備、空調設備、浄水・排水設備の機能を損なう可能性があります。
降灰量による影響の変化
この仮定では、大分市中心部に数ミリメートルから数センチメートル程度の灰が積もる場合を考えます。ただし、実際の降灰量は噴火規模、高度ごとの風向・風速、降り続く時間によって大きく変わります。地域によってほとんど積もらないことも、局地的に想定より多く積もることもあり得ます。
薄い降灰でも、車の視界悪化、滑りやすい路面、機械への灰の侵入が問題になります。厚くなると、屋根や雨どいの清掃が必要になり、雨で灰が重くなった場合には建物への負担や排水の詰まりも懸念されます。降灰に雨が加われば、側溝や河川への流入によって排水能力が落ち、地震で沈下した低地では内水氾濫の危険が増します。
火山灰の健康影響は、暴露量と個人の状態によって異なります。健康な人の短時間の接触と、呼吸器疾患のある人の継続的な暴露を同列には扱えません。避難所では、窓や換気設備の管理、必要な防じん対策、清掃時に灰を舞い上げない方法が重要になります。
地震と重なることで生じる難しさ
単独の降灰なら清掃して使える施設も、地震で屋根や空調が損傷していれば使用を続けられないことがあります。灰が降るため道路や鉄道の点検が難しくなり、点検が遅れる間に物流が止まる――このような復旧の妨げが、中心部における噴火の重大な影響です。
一方、地震の避難所として開けた広場を使いたくても、降灰が強ければ長時間の屋外滞在に適さない場合があります。複合災害では、一つの災害に適した行動が、別の災害には適さないことがあります。
8.海底噴火に固有の影響
海底噴火を仮定した場合、津波以外にも、噴火地点の近傍で船舶の航行や漁業に支障が生じ得ます。海面の変色、浮遊物、軽石、水中のガス、海底地形の変化などが確認された場合、海域を安全だと判断するには観測が必要です。
ただし、これらがすべて同時に、別府湾全域で起こるという意味ではありません。 海底噴火の規模や水深が分からなければ、どの現象がどの範囲に及ぶか判断できません。津波の収束後も、航路測量や水質確認、施設点検が終わるまで船舶の出入りが制限される可能性があります。
港の停止が長引けば、被害を受けていない工場にも燃料や原材料が届かず、製品を出荷できなくなります。津波そのものによる破損と、「港を安全に再開できないことによる損失」は分けて考える必要があります。
9.道路・鉄道・港湾・空港への影響
道路
市中心部では、倒壊物、落下物、陥没、液状化による段差、消えた信号機が同時に交通を妨げます。沿岸道路は浸水や漂流物の影響を受け、丘陵地の道路は崖崩れや擁壁破損で通行止めになる可能性があります。
主要幹線が一部でも使えれば救援の余地はありますが、港湾から病院へ、あるいは市外から市中心部へ向かう経路が限られると、わずかな区間の損傷が広域の渋滞を招きます。救急車、消防車、給水車、復旧車両が同じ道路を必要とするため、一般車両を含めた交通整理が欠かせません。
橋は倒壊していなくても、橋台付近の段差や部材の点検が終わるまで通れない場合があります。地図上では接続している道路も、発災直後には「通れるかどうか不明」となることが、物資輸送の大きな障害です。
鉄道
大分駅と周辺の鉄道路線では、地震直後に運転を停止し、線路、橋梁、架線、信号設備、駅舎を点検する必要が生じます。降灰があれば、車両や分岐器の確認にも時間がかかります。
被害が小さい区間は数日程度で一部再開する可能性があります。一方、地盤や橋梁に重大な損傷が生じた区間では、数週間から数か月、条件次第ではそれ以上の復旧期間を要するかもしれません。これらは特定路線の復旧予測ではなく、被害程度による時間幅の例です。
通勤・通学手段の停止は、学校や職場が建物として無事でも、その機能を止めます。バスへの振り替えも、道路の混雑や燃料不足があれば十分には機能しません。
港湾と海上輸送
岸壁のずれ、クレーンの損傷、港内への漂流物の流入、津波後の航路調査、海底噴火地点周辺の航行制限が重なれば、大分港周辺の機能は大きく制約されます。緊急物資を船で運びたくても、岸壁や荷役機械が使えなければ荷揚げできません。
港湾の全面停止だけでなく、「利用可能な岸壁が少なく、扱える貨物が限られる」状態も長引くおそれがあります。その場合、道路・鉄道への輸送の振り替えが進み、もともと傷んだ陸上交通に追加の負荷がかかります。
市外との空路
大分空港は大分市中心部の施設ではありませんが、市外への患者搬送や救援人員の受け入れに関係します。空港自体が使用可能でも、道路や連絡手段が止まれば、市中心部との行き来に時間がかかります。降灰が広域に及ぶ場合には、航空機の運航判断にも影響し得ます。
逆に、空港や市外の拠点が使えるなら、被災した湾岸以外から人員・物資を入れる経路になります。複合災害への対応では、一つの交通手段に頼らず、海・陸・空のうち利用可能な経路を組み合わせる必要があります。
10.電気・水道・通信・下水道
電力と燃料
中心部の配電設備、変電設備、電柱、引込線が損傷すれば、広い範囲で停電が起こり得ます。復旧の速さは、発電所の状況だけでなく、道路が通れるか、個々の地区の配電設備を点検できるかにも左右されます。沿岸の施設では、浸水した電気設備を乾燥・点検せずに再稼働できません。
本シナリオでは、発災直後に数十万件規模の停電が一時的に生じ得ると考えますが、これは電力会社の設備データに基づく予測ではありません。復旧は地域差が大きく、比較的軽い被害の地区と、浸水・火災・液状化が重なった地区とでは、必要な日数が大きく異なります。
停電が長引くと、携帯電話の基地局、給水設備、集合住宅のポンプ、店舗の冷蔵設備、病院の機器が自家発電に依存します。しかし燃料の補給経路も被災すれば、発電機があっても運転を継続できません。
上水道・下水道
地中の水道管は、地盤のずれや液状化で損傷します。停電でポンプが止まり、浄水施設や配水施設に被害が及べば、十数万~数十万人規模で断水や給水制限が起こるという厳しい条件を想定できます。実際の影響人数には施設ごとの耐震性と系統の切り替え能力が重要で、ここでの数字は公式推計ではありません。
水は飲用だけでなく、医療、調理、トイレ、消火、工場の操業に必要です。給水車を配置しても、道路が寸断され、多数の避難所に人が集まれば十分な量を届けるのは難しくなります。
下水道が止まると、避難所や集合住宅のトイレ問題が深刻になります。浸水地区では汚水が混ざった水の処理も課題です。降灰が排水口に入り込めば、詰まりの原因にもなり得ます。建物の電気や水道が戻っても、下水が使えなければ住民がすぐに戻れない地区が生じます。
通信
発災直後の通話集中に加え、停電や基地局への被害で携帯電話がつながりにくくなります。家族の安否確認、避難情報の受信、患者の搬送調整、工場の緊急停止後の連絡が同時に必要となるため、通信の混雑は災害対応そのものを遅らせます。
通信障害は一律ではありません。ある場所では音声通話が難しくてもデータ通信が使える、別の場所では基地局そのものが止まる、といった違いが生じます。行政や医療機関には、通信が途絶えた場合の無線、衛星通信、紙による記録・伝達など、代替手段が求められます。
11.医療・介護・公衆衛生
大量の負傷者と限られた受け入れ能力
地震直後には、外傷患者が短時間に医療機関へ集中します。その一方で、病院自体が揺れによる設備損傷、停電、断水、医療ガスの供給障害、職員の参集困難に直面します。病院の建物が倒壊しなくても、手術室や検査機器が使用できなければ治療能力は低下します。
道路が混雑すれば救急車による搬送に時間がかかり、どの病院が受け入れ可能かという情報も把握しにくくなります。重傷者が多いときには、軽症者も含め全員を一つの病院へ運ぶことはできません。現場での応急処置、患者の重症度に応じた搬送先の振り分け、市外を含む広域搬送が重要になります。
さらに、津波に巻き込まれた人には低体温や誤嚥への対応が必要になる場合があり、火災では熱傷や煙の吸入、降灰では目・呼吸器の症状が問題となります。災害の種類が重なるため、必要な医薬品や処置も多様になります。
医療を止められない人々
発災後の死者数を左右するのは、直後の外傷だけではありません。透析、在宅酸素、インスリンの保管、妊産婦の診療、重い慢性疾患の治療が途切れると、時間がたつにつれて命に関わります。介護施設では、停電や断水が続く中で利用者の安全を守らなければなりません。
避難所では、寒さ、睡眠不足、混雑、トイレ不足、感染症、持病の悪化に注意が必要です。車中泊をする人には、長時間同じ姿勢を続けることによる健康上の危険もあります。災害関連死を抑えるには、避難所に入った人数だけでなく、在宅避難者や市外へ避難した人も支援対象として把握することが欠かせません。
噴火による衛生面の追加負担
火山灰が水源や設備に入り込んだ場合、水質の確認や設備の清掃が必要になります。灰が付着した食品や医療物資の取り扱いにも注意が必要です。ただし、降灰があった地域の水が一律に飲めなくなるわけではありません。安全性は、実際の水質検査と施設の状態に基づいて判断すべきです。
医療機関の空調設備が灰で詰まる、救急車の走行条件が悪くなる、患者搬送に使うヘリコプターの運航が難しくなる――こうした間接的な影響も、治療能力を下げる可能性があります。
12.避難生活と地域社会への影響
避難者の規模と行き先
約15万~30万人が自宅で通常の生活を送れなくなるという想定には、家屋の損壊だけでなく、津波警戒、火災、断水、停電、危険物施設周辺の安全確認、土砂災害の警戒による避難も含みます。
全員が公的避難所に入るわけではありません。親族・知人宅、宿泊施設、市外の住宅、車中、自宅の一部を使う在宅避難など、避難先は分散します。この分散は避難所の混雑を緩和する一方、支援物資や健康情報が届きにくい人を生みます。
避難所に一時的に約7万~16万人が集中する場合、トイレ、寝具、暖房、飲料水、食事、充電設備、医療・介護の確保が大きな課題です。学校が避難所になれば授業再開が遅れ、地域の集会施設が使えなくなれば行政サービスや住民活動にも影響します。
要配慮者と孤立
高齢者、障害のある人、乳幼児を連れた人、日本語での情報取得が難しい人、医療機器を使う人には、それぞれ異なる支援が必要です。沿岸の津波避難では、短時間で階段を上がること自体が困難な人もいます。避難計画が「自分で歩ける人」を前提にしていると、被害が偏ります。
道路が損傷した丘陵地や、市街地から離れた地域では、小規模な孤立が発生し得ます。孤立した地域の人数が少なくても、薬の不足や搬送不能は切迫した問題です。大規模避難所への対応だけでは、こうした人々を見落とすおそれがあります。
住まいの復旧は長期化する
全壊・半壊の判定、危険な建物の解体、瓦礫の搬出、仮住まいの確保には時間がかかります。沿岸の浸水建物には、泥や塩分の清掃、電気設備の交換が必要になる場合があります。降灰地域では、屋根や排水設備の清掃も加わります。
仮に道路や鉄道が比較的早く再開しても、住民が戻るためには、水道、下水道、電気、医療、買い物の場所、学校がある程度そろわなければなりません。「インフラの復旧日」と「地域の生活が戻る日」は同じではありません。
13.経済被害・経済損失の内訳
直接的な資産被害:約3兆~7兆円
直接被害とは、主として物理的に失われた建物・設備・インフラの価値や、その復旧に必要な費用を指します。この仮想シナリオでは、次のような内訳を置きます。
- 住宅・店舗・事務所などの建物:約1兆~2兆2,000億円。 倒壊、火災、浸水、設備損傷に伴う被害です。
- 工場・港湾関連の民間設備:約7,000億~1兆7,000億円。 生産設備、倉庫、荷役設備などの損傷を想定します。
- 道路・橋梁・上下水道などの公共インフラ:約5,000億~1兆1,000億円。 損傷箇所の復旧費用に関する概算です。
- 家財、在庫、車両などの動産:約4,000億~1兆円。 建物本体と区別した資産です。
- 沿岸施設の復旧、瓦礫・灰・汚泥の撤去など:約4,000億~1兆円。 復旧の初期段階で必要となる費用を含めます。
これらの下限を足すと約3兆円、上限を足すと約7兆円になります。ただし実務上は、工場建屋と工場設備、道路復旧と瓦礫処理などで費目が重複し得ます。ここでは区分を分けた概算として示しており、査定済みの積み上げ額ではありません。
大分県の既存資料には、中央構造線断層帯による地震について、直接被害約3兆円、間接被害約0.8兆円という県域の推計が示されています。しかし、県域の特定地震を対象とするその推計と、本レポートの大分市中心部直下・複数噴火同時発生という仮定は、対象範囲も災害条件も異なります。 数字が近い、あるいは本レポートのほうが大きいというだけで、両者の妥当性を比較することはできません。〔大分県「大分県地震津波被害想定調査報告について(概要)」、公開日不明〕
間接的な経済損失:約2兆~5兆円
間接損失は、施設そのものの修理代ではなく、使えない間に生じる生産やサービスの減少を指します。大分市の場合、沿岸の工業、港湾物流、商業、観光、通勤圏の活動が結び付いているため、損失は被災した建物の敷地外にも広がります。
概念上の内訳は、製造業の生産停止・縮小に約8,000億~2兆円、港湾・物流に約4,000億~9,000億円、観光・宿泊・小売・飲食に約2,000億~6,000億円、その他の事業活動や所得への波及に約4,000億~1兆円、広域的な輸送・調達の混乱などに約2,000億~5,000億円と置けます。合計すると約2兆~5兆円です。
ただし、例えば「港が止まったため工場の生産が止まる」という損失を、港湾と製造業の両方で数えれば二重計上になります。上記は、一つの損失を主な原因の費目に振り分けることを前提にした説明用の数字です。実際の額を求めるには、企業間取引や代替輸送の可否を分析する必要があります。
また、売上高の減少と地域全体の純損失は同じではありません。他地域への生産移転や後日の販売回復があれば損失は縮小し、一方で、顧客が長期的に離れれば拡大します。「約2兆~5兆円」は1~3年程度の影響を大まかに捉える仮定であり、毎年その額が発生するという意味ではありません。
家計・自治体への影響
マクロの金額だけでは、生活への打撃は見えません。住宅ローンが残る家を失った世帯、働く場所を失った人、営業を再開できない小規模店舗には、数か月の収入減でも深刻です。家財や車両の損失、転居費用、通勤時間の増加も家計を圧迫します。
自治体には、救助、避難所運営、瓦礫処理、仮住まい、学校・道路・上下水道の復旧など、多額の支出が集中します。その一方で、事業所の停止や人口の一時流出によって税収が弱まる可能性があります。国・県・市、保険、民間投資の役割分担が、復興の速さを左右します。
14.産業・観光・教育・行政への影響
製造業と取引先
沿岸の大規模事業所が停止した場合、復旧の可否は工場の建物だけでは決まりません。専用設備の交換部品が入手できるか、工業用水が使えるか、港から原材料を受け取れるか、製品を出荷できるかが必要です。安全確認を終えても、従業員が避難生活を送っていれば通常操業は難しくなります。
製品や素材の納入先は、市外・県外にも存在し得ます。代替調達が容易でない品目では、供給不足が遠方の企業の生産を遅らせる可能性があります。一方、取引先が別拠点に切り替えられるなら、全国的な供給への影響は小さくなります。全国への具体的な影響額を示すには、品目ごとのデータが必要です。
商業・観光
大分駅周辺や中心商業地で建物の安全確認が長引けば、店舗が無事でも営業できません。停電、断水、仕入れの停滞、従業員の避難が重なります。宿泊施設は被災者・支援者の受け入れ先となる場合がある一方、一般旅行の需要は一時的に大きく落ち込む可能性があります。
大分市だけでなく、別府湾周辺の交通や観光の印象にも影響が及びます。ただし「噴火が起きたから県内のすべての観光地が危険」ということにはなりません。実際の規制区域、交通の可否、降灰状況に基づき、被災していない地域まで一律に扱わない情報発信が復興には重要です。
学校と子ども
学校施設が避難所や物資拠点に使われると、校舎に大きな損傷がなくても授業を再開しにくくなります。通学路の危険、公共交通の停止、家庭の転居、給食設備の被害も影響します。
子どもの生活では、授業時間の損失だけでなく、友人との分離や避難生活のストレスも課題です。長期化する場合は、仮教室、別校への通学、学習用品の確保、心理的支援が必要になります。
行政機能
市役所や出先機関が被害を受ければ、罹災証明書の発行、福祉サービス、住民情報の確認、避難所への職員配置が滞ります。通信や電力の障害があれば、建物が使用可能でも業務は制限されます。
行政には、津波による立ち入り制限、火山の警戒区域、地震で危険になった建物の判定を、同時並行で扱うことが求められます。担当部署ごとに情報が分かれると、市民が「どこへ行けばよいか」分からなくなるため、危険区域と利用可能な支援窓口を一体的に伝える必要があります。
15.発災後の時間経過
発災から24時間
最初の優先事項は、人命の保護です。倒壊建物からの救出、沿岸の高所避難、火災への対応、危険区域からの退避が同時に進みます。停電と通信混雑により、市全体の被害像を把握すること自体が難しい段階です。
避難所には、建物を失った人だけでなく、自宅が安全か分からない人、津波の再来を警戒する人も集まります。病院は患者の受け入れと施設点検を並行せざるを得ません。港湾と工業施設では、人命確保と設備の安全停止が優先されます。
この時点で公表される死傷者数や被害棟数は、確認が進むにつれて大きく変わり得ます。初日の数字が小さいから被害が限定的とは判断できません。
2日目から1週間
救出活動と並行して、通行可能な道路、使える岸壁、稼働できる病院・給水施設が明らかになっていきます。余震、津波への警戒、降灰の継続によって、作業を中断しなければならない可能性があります。
避難生活では、水、トイレ、暖房、食事、薬の確保が差し迫ります。自宅で過ごす人にも支援を届ける必要があります。工場や店舗では、施設の損傷調査を始めても、従業員と物流が戻らず、操業再開の日程を見通せない状態が続くでしょう。
1週間から1か月
被害が比較的小さい地区から、電気、水道、交通、商業施設が順次再開することを想定します。ただし、沿岸の浸水・液状化地区や大規模火災地区では、復旧の進み方が大きく遅れる可能性があります。
この時期には、建物の応急危険度判定、被害認定、瓦礫の仮置き、仮住まいの調整が本格化します。灰が繰り返し降る場合は、清掃が一度で終わらず、排水設備や機械の維持に継続的な負担がかかります。
1か月から1年
住宅とインフラの本格復旧が進む一方、生活再建の差が目立ち始めます。自宅に戻れる世帯と、長期の仮住まいが必要な世帯が分かれます。中小企業では、施設の修理費だけでなく、休業中の固定費や顧客離れが経営を圧迫します。
港湾や大規模工場が段階的に再開しても、すべての設備を同時に元へ戻せるとは限りません。学校、医療、買い物、公共交通の機能がそろうまで、地域から離れた住民が戻れない場合もあります。
1年以降
復興は、壊れたものを同じ場所に建て直すだけでは終わりません。津波浸水が懸念される土地の利用、工業施設の再開方針、住宅の耐震化、斜面・盛土の安全対策、港湾の強化をどう進めるかという選択が必要です。
経済面では、設備投資によって回復する事業もあれば、廃業や取引先の移転で元の規模には戻らない事業もあり得ます。人口移動や地域コミュニティーへの影響を含めると、復興の期間は施設ごとに異なり、一つの年数では表せません。
16.被害を大きく左右する条件
このシナリオの死者数と経済損失には大きな幅があります。とくに重要な変数は次のとおりです。
第一に、実際の揺れの分布です。 中心部のどこで震度7となり、どの地区では震度6強以下になるかで、倒壊数は大きく変わります。地盤や建物の耐震性も同じくらい重要です。
第二に、津波を起こす海底変形の有無と規模です。 海底噴火を設定しても、十分な海水の変位がなければ、ここで仮定した津波は生じません。逆に、避難可能な時間が非常に短い地区があれば、人的被害は増えます。
第三に、噴火規模と風向です。 灰が大分市にほとんど届かない場合と、市街地に積もり続ける場合では、交通・電力・衛生への影響が異なります。
第四に、発生時刻と天候です。 本レポートは冬の夕方、満潮に近い沿岸、降灰が市街地へ向かう風向きを選びました。深夜なら在宅中の建物倒壊被害が増える一方、中心商業地の滞在人口は減るかもしれません。強雨があれば灰による排水障害や、地震後の斜面崩壊がより問題になります。
第五に、避難と初動対応です。 建物の耐震化が進み、沿岸住民が揺れの直後に高所へ避難し、火災が早期に抑えられれば、同じ自然現象でも死者数は大きく減らせます。想定値を固定された運命として扱うべきではありません。
17.被害を減らすための優先課題
市民・事業者に共通する備え
- 建物と室内を安全にする。 建物の耐震診断・改修、家具や設備の固定、ガラスや天井材の落下対策が、直下地震への基本です。
- 沿岸での避難先を決めておく。 自宅だけでなく、職場、学校、買い物先から歩いて向かえる高所や津波避難施設を確認します。津波情報を待つことを避難開始の条件にしないことが重要です。
- 複数の情報源を持つ。 地震、津波、火山の情報は発表主体や対象区域が異なります。停電・通信障害に備え、携帯電話以外の入手方法も考えておきます。
- 水・食料・薬・トイレ用品を備える。 物資の量だけでなく、家族に必要な薬や医療機器の電源を具体的に確認します。
- 灰の処理を急ぎすぎない。 降灰時には視界や呼吸への影響に注意し、安全が確認されていない屋根へ上らないことが大切です。
行政・地域に必要な備え
- 地震・津波・火山を別々に扱わない避難計画。 津波避難先が降灰や火災の影響を受けた場合の代替先、避難経路が液状化で通れない場合の別経路を検討します。
- 孤立を前提とした医療・福祉の配置。 病院と介護施設の非常用電源、燃料、水、通信を確保し、在宅療養者を支援する仕組みを用意します。
- 港湾・工業施設の安全停止と代替物流。 設備被害を抑えるだけでなく、港が使えない期間にどこから物資を入れるかを定めます。
- 避難所に入らない人の把握。 在宅避難、車中泊、親族宅への避難、市外への避難を支援の対象から漏らさないことが必要です。
- 被害想定の更新。 地区別の建物、人口、標高、道路、工場設備のデータと、津波・降灰の数値計算を使い、今回のような概算より実用的な計画に近づけます。
結論
この仮想シナリオでは、大分市中心部直下の最大震度7の地震に、鶴見岳周辺の陸上噴火と別府湾内の仮想的な海底噴火を重ねました。厳しい条件の下では、建物倒壊、火災、沿岸浸水、降灰、港湾・工業機能の停止が連鎖し、死者約2,000~8,000人、避難生活を余儀なくされる人約15万~30万人、直接被害約3兆~7兆円、間接損失約2兆~5兆円という規模を想定しました。
ただし、これらは公式予測でも、発生確率を伴う科学的推計でもありません。とくに海底噴火に伴う津波の規模と到達時間には、裏づけとなる地点別の計算が必要です。このレポートから読み取るべき中心点は、一つの大きな数字ではなく、強い揺れが建物・道路・病院を傷めた直後に、津波からの避難と火山灰への対応を同時に迫られると、救助と復旧の余力が急速に失われるという連鎖です。被害を具体的に減らすには、耐震化、沿岸からの即時避難、医療・水・電力の継続策、そして代替交通・物流の確保が重要になります。
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※高い標高を基準とした防災移住のご参考に。標高60メートル以上(理想は100メートル以上)を推奨します。候補地は奈良県、京都府、兵庫県、岡山県、群馬県、埼玉県(大宮、所沢)です。地盤の強さも確認し、候補地の周りに豪雨による土砂崩れ、河川の氾濫による浸水の恐れが無いかも確認してください。
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標高・地盤認知の推奨
ステップ1
あなたの勤務先やお住まいの住所から標高を知りましょう!
↓ ↓ ↓
地理院地図 / GSI Maps|国土地理院のサイトの検索窓に住所を入れると標高がサイトの左下に表示されます。
移転予定先の標高も調査しておきましょう!
※標高は100m以上推奨です。(備えあれば憂いなし!)
ステップ2
あなたの勤務先やお住まいの住所から地盤の状態を知りましょう!
↓ ↓ ↓
地盤の状態は地盤サポートマップ【ジャパンホームシールド株式会社】のサイトで知ることができます。
移転予定先の地盤状態も調査しておきましょう!
ステップ3
地震による津波や温暖化による氷河融解による水位上昇をシミュレーションしましょう!
海面上昇シミュレーター | JAXA Earth Appsのサイトで水位が上昇した場合のシミュレーションが可能です。希望の地区へカーソルで移動してください。
縄文時代は今よりも120m水位が高かったようです。縄文海進(Wikipedia) とは?
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