防災 最新(2026.07.28)震源被害想定 震度7以上 千葉県松戸市の松戸市役所を震源とする震度7以上の大地震発生時の被害想定
松戸市役所付近を震源とする震度7以上の直下地震は、松戸市の公表想定(市直下約5km・M7.1、震度6弱~6強)を上回る、より厳しい仮想シナリオです。したがって以下の死者数・経済損失は公式確定値ではなく、既存の公的被害想定を踏まえ、震度7域が市役所周辺から広く及ぶ場合を想定した概算です。
想定の前提
- 発生場所:千葉県松戸市根本、松戸市役所直下付近
- 地震規模:マグニチュード7.1~7.3程度の浅い内陸地殻内地震
- 震源深さ:おおむね5~10km
- 揺れ:市役所周辺、松戸駅周辺、江戸川沿いの一部で震度7。市内の広い範囲で震度6強
- 発生時刻:冬の平日18時ごろ
- 気象条件:強風、乾燥。都市火災が拡大しやすい条件
- 被害を大きくする要因:帰宅時間帯、鉄道・道路の混雑、老朽住宅、家具転倒、火災、停電・断水の長期化
松戸市の防災資料では、市直下約5km、M7.1の地震で市内は震度6弱~6強が予測され、津波による被害可能性は低い一方、家屋倒壊・家具転倒による圧死や窒息死が主な危険とされています。〔松戸市総務部危機管理課「災害に対する備え」|2025年10月改訂〕<<1>>
結論:被害規模の全体像
この条件では、松戸市単独でも重大な都市災害となり、東京都東部・埼玉県南東部・千葉県北西部を含む首都圏北東部の広域災害へ発展する可能性があります。
- 死者数:約500~2,000人程度
- 負傷者:約8,000~25,000人程度
- 避難者:約5万~12万人程度
- 全半壊・焼失等の建物被害:約1.5万~4万棟程度
- 松戸市内の直接経済被害:約1.5~4兆円程度
- 首都圏への間接被害を含む経済損失:約4~12兆円程度
- 電力・通信・水道・ガス:地域差はあるものの、復旧に数日~数週間。一部では1か月以上
- 鉄道・道路:常磐線、武蔵野線、新京成線、国道6号、外環道周辺などの機能低下により、首都圏北東部の通勤・物流が長期的に混乱
なお、松戸市の既存の最大被害想定では、松戸市直下約5km・M7.1のケースにおいて、死者約338人、負傷者約4,439人、避難者約23,310人とされています。震度7が市内に広く現れる本シナリオでは、これを大きく上回る可能性があります。〔松戸市国土強靭化地域計画|令和8年修正〕<<3>>
津波・河川氾濫の可能性
海洋巨大津波の可能性
松戸市は東京湾に直接面しておらず、震源も内陸直下を想定しているため、東日本大震災級の海洋巨大津波が市街地へ到達する可能性は低いと考えられます。
松戸市も、市直下地震について津波被害の可能性は低いと整理しています。〔松戸市総務部危機管理課「災害に対する備え」|2025年10月改訂〕<<1>>
それでも注意すべき水害
「津波が来ない」ことは、水辺の安全を意味しません。特に江戸川沿いでは、次のような二次災害が問題になります。
- 江戸川堤防・護岸の損傷、沈下、ひび割れ
- 河川管理施設、水門、排水機場の停止
- 液状化や地盤沈下による内水氾濫
- 下水道管の破損による道路冠水・逆流
- 東京湾で発生した小規模な津波や潮位変動が、江戸川を通じて水位変動として影響する可能性
- 大雨が地震後に重なることで、損傷した堤防や排水設備の能力が低下する可能性
特に江戸川沿いの低地では、避難所や住宅が浸水しなくても、道路冠水・排水停止・下水逆流により生活機能が大きく損なわれるおそれがあります。
人的被害と死者数
想定死者数
本シナリオでの死者数は、約500~2,000人程度を中心とする幅で想定されます。最悪条件が重なる場合は、さらに上振れする可能性があります。
主な死因は、次の順に大きくなると考えられます。
- 住宅・建物倒壊による圧死、窒息死
- 家具・家電・ガラス・天井材などの落下、転倒
- 地震火災による焼死、煙による一酸化炭素中毒
- ブロック塀、擁壁、自動販売機、看板等の転倒
- 救助・医療の遅れによる外傷・持病の悪化
- 避難生活中の肺炎、血栓症、熱中症・低体温症、自殺・孤立などの災害関連死
松戸市の公的想定では、より弱い揺れを前提とする市直下M7.1のケースでも死者約338人が見込まれています。〔松戸市国土強靭化地域計画|令和8年修正〕<<3>>
被害が集中しやすい場所
- 旧耐震基準の木造住宅が残る地区
- 狭い道路が多く、消防車や救急車が入りにくい地区
- 松戸駅・新松戸駅周辺など、帰宅困難者が集まりやすい場所
- 高層住宅・集合住宅の中高層階
- 江戸川沿いなど地盤条件によって揺れや液状化が懸念される地区
- 病院、福祉施設、保育園、学校など要配慮者が多い施設
- 商業施設、地下通路、エレベーター内、立体駐車場
建物被害・火災
建物倒壊
震度7では、耐震性が不足する木造住宅、老朽化した共同住宅、非構造部材が弱い建物を中心に大きな被害が起こります。
- 全壊・大破:約5,000~15,000棟
- 半壊・大規模損壊:約10,000~25,000棟
- 家具転倒・室内損壊が発生する住宅:数万世帯規模
- エレベーター閉じ込め:多数発生の可能性
- マンションでは建物本体が倒壊しなくても、断水・停電・エレベーター停止で居住継続が困難になる可能性
松戸市は人口密度が高く、東京への通勤・通学圏として集合住宅も多いため、「家が倒壊しなかったから安全」とは限りません。電気、水、トイレ、通信、エレベーターが止まれば、高層住宅や大規模団地でも在宅避難が困難になります。
地震火災
冬の夕方から夜に発生した場合、暖房・調理・電気復旧時の通電火災が重なり、複数の火災が同時に発生するおそれがあります。
- 同時多発火災:数十件規模
- 消防力不足:道路閉塞、断水、通信障害で消火活動が遅延
- 延焼危険:木造住宅が密集する地域、狭い道路、強風条件
- 復電火災:停電復旧後に損傷した電気配線・家電から出火
火災による焼失が増えると、死者数・避難者数・経済損失は急激に拡大します。
ライフラインへの影響
電力
- 発災直後:市内の広い範囲で停電
- 1日後:復旧地域と未復旧地域の差が大きくなる
- 1週間後:大半で復旧が進む一方、設備損壊・火災・道路寸断がある地域では停電継続
- 長期化地域:数週間程度の停電もあり得る
停電は照明だけの問題ではなく、携帯電話充電、冷蔵庫、在宅医療機器、信号機、給水ポンプ、マンションのエレベーター・オートロックに連鎖します。
上下水道
松戸市では、断水と下水道機能低下が生活被害の中心になり得ます。
- 配水管・給水管の破損による断水
- マンションの受水槽・給水ポンプ停止
- 下水管破損、マンホール浮上、道路陥没
- 水洗トイレが使えない世帯の増加
- 避難所の衛生環境悪化
- 飲料水だけでなく、トイレ・手洗い・洗濯・医療用水の不足
都市ガス・通信
- ガスは安全装置作動により広域停止の可能性
- 復旧には漏えい調査・安全確認が必要で、数週間規模になる地域もあり得る
- 携帯電話は基地局停電・回線集中でつながりにくくなる
- インターネット、電子決済、銀行ATM、宅配システムが機能低下
- 行政・医療・物流・企業の情報連携にも大きな支障
交通・物流への影響
鉄道
松戸市は鉄道網への依存度が高く、運行停止の影響は極めて大きくなります。
- JR常磐線各駅停車・快速線の運休または大幅減便
- 武蔵野線の点検・高架部・橋梁部の安全確認
- 京成松戸線の停止
- 東京メトロ千代田線との相互直通運転の停止・制限
- 松戸駅、新松戸駅周辺で大規模な滞留者・帰宅困難者が発生
- 上野、北千住、日暮里、柏、取手など広域の鉄道結節点に混乱が波及
発災時刻が平日夕方なら、東京から松戸・柏・流山・三郷・越谷方面へ帰宅する人々が駅周辺に集中し、数万人規模の帰宅困難者が発生する可能性があります。
道路・橋梁
- 国道6号、水戸街道の渋滞・通行規制
- 東京外かく環状道路、周辺高速道路の点検・通行止め
- 江戸川を越える橋梁の安全点検による交通制限
- 救急車、消防車、物資輸送車が渋滞に巻き込まれる
- 道路陥没、電柱倒壊、がれき、液状化による通行不能
江戸川をまたぐ道路・鉄道ルートが制約されると、東京都東部と千葉県北西部・埼玉県南東部の移動が同時に滞り、首都圏全体の物流・通勤機能に影響します。
経済被害・経済損失
直接経済被害
松戸市内における建物、設備、インフラ、在庫、車両などの直接被害は、約1.5~4兆円程度と想定されます。
主な内訳は次のとおりです。
- 住宅・マンション・店舗・工場等の建物被害
- 家財・什器・在庫・車両の損失
- 道路、橋、水道、下水道、学校、公共施設の復旧費
- 鉄道・駅施設・電力・ガス・通信設備の被害
- 火災による焼失、解体、がれき処理費
- 医療・福祉施設の復旧費
間接経済損失
企業活動停止、通勤不能、物流障害、消費減少、観光・不動産・金融面への影響まで含めると、首都圏への波及を伴う間接損失は約2.5~8兆円程度、直接被害と合算した総経済損失は約4~12兆円程度となる可能性があります。
主な経路は以下です。
- 東京へ通勤する就業者の出勤不能
- テレワーク不能、通信障害、停電による事務・営業停止
- 部品・食品・医薬品・日用品の配送遅延
- 市内・周辺の中小企業、店舗、介護事業所、医療機関の営業停止
- 鉄道停止による首都圏の人流減少
- 不動産価格・賃貸需要・住宅再建費の変動
- 保険金支払い、金融機関の業務制限、資金繰り悪化
- 復旧・復興需要が生まれる一方、労働力・資材不足で復旧費用が上昇
千葉県の被害想定では、千葉県北西部直下地震Mw7.3のケースで、県全体として建物被害約7.6万棟、死者約2,400人、避難者約87.2万人が見込まれています。松戸市役所直下で震度7域が広がる場合、松戸市は県北西部の被害集中地域の一つとなる可能性があります。〔千葉県「千葉県地震被害想定調査結果(概要)」|令和8年5月〕<<4>>
行政・医療・福祉への影響
松戸市役所機能
震源が市役所直下付近であるため、市役所庁舎自体が大きく損傷しなくても、次のような機能低下が想定されます。
- 職員の被災、参集困難
- 停電、通信障害、庁内システム停止
- 災害対策本部の立ち上げ遅延
- 住民情報、避難所情報、罹災証明、給付手続きへの影響
- 他自治体・千葉県・国・消防・警察・自衛隊との連携負荷増大
- 市役所周辺への避難者・問い合わせ者の集中
市の災害対応機能が低下すると、被害情報の集約、避難所開設、給水、物資配分、要配慮者支援が遅れます。
医療
- 救急搬送の急増で病院が逼迫
- 手術室、透析、人工呼吸器、酸素供給への影響
- 医薬品・血液・医療材料の配送遅延
- 軽症者も救急外来へ集中し、重症者対応が困難化
- 在宅医療・介護利用者の安否確認、電源確保が課題
- 精神的ショック、避難生活ストレスによる心身不調の増加
特に高齢者、障害者、乳幼児、妊産婦、外国人、持病のある人、医療機器を使用する人は、避難所生活や情報不足による二次被害を受けやすくなります。
時間経過別の想定
発災直後から3時間
- 強い揺れによる建物被害、家具転倒、負傷者発生
- 電車・エレベーター・車両内で閉じ込め
- 停電、通信障害、信号機停止
- 火災、ガス漏れ、道路閉塞
- 松戸駅周辺などで多数の滞留者
- 江戸川沿いの護岸・堤防・橋梁点検開始
1日目から3日目
- 救助・消火・負傷者搬送が最優先
- 断水、トイレ不足、避難所混雑が深刻化
- 帰宅困難者の一時滞在場所不足
- コンビニ、スーパー、薬局の品不足
- 携帯通信・電子決済の不安定化
- 高齢者・要介護者・在宅患者の安否確認が課題
- 火災後の通電火災にも警戒が必要
1週間から1か月
- 住宅被害の全容把握、罹災証明の発行開始
- 避難所から親族宅、ホテル、仮設的住居への移動
- 学校再開の遅れ、保育・介護サービスの不足
- 事業再開の格差が拡大
- 水道・ガス・下水道の未復旧地域で生活困難が継続
- 災害ごみが大量発生し、集積・処理が課題
数か月から数年
- 被災住宅の解体・再建、マンション修繕
- 地域商店・中小企業の廃業、雇用減少
- 被災者の二重ローン、賃料負担、生活再建の長期化
- 心的外傷後ストレス障害、孤立、災害関連死への継続支援
- インフラ耐震化・不燃化・再開発の加速
- 地価や人口移動への影響
被害を左右する重要な条件
死者数や経済損失には大きな幅があります。特に重要なのは次の条件です。
- 発生時刻:深夜は自宅倒壊、昼間は学校・職場・駅、夕方は帰宅困難者が増える
- 季節:冬の乾燥・強風時は火災被害が拡大しやすい
- 家屋の耐震性:1981年以前の旧耐震住宅、未改修住宅の割合
- 家具固定率:固定の有無が負傷・死亡の差につながる
- 初期消火:地域での初期消火が延焼拡大を抑える
- 道路閉塞:消防・救急・物資輸送の可否を左右する
- ライフライン復旧:断水と下水道停止の長期化が避難生活の質を左右する
- 情報伝達:通信障害下で正確な避難・給水・医療情報を届けられるか
- 江戸川沿いの護岸・排水設備の損傷状況:地震後の降雨時の浸水リスクを左右する
重要な備え
松戸市では、津波避難よりもまず、建物倒壊・家具転倒・火災・断水・帰宅困難への備えが重要です。
- 家具を壁に固定し、寝室に大型家具を置かない
- 住宅の耐震診断・耐震改修を行う
- 感震ブレーカーを設置し、通電火災を防ぐ
- 水は1人1日3リットルを目安に、最低3日分、できれば7日分を備蓄
- 携帯トイレを1人あたり最低1週間分用意する
- モバイルバッテリー、乾電池、ラジオ、懐中電灯を備える
- 家族の安否確認方法と集合場所を決める
- 職場・学校から自宅まで徒歩で帰る経路を確認する
- 江戸川沿い・低地では、地震後に大雨が来た場合の避難先も確認する
- マンションでは、停電・断水・エレベーター停止を前提に在宅避難の備えを整える
松戸市は地域防災計画を整備し、地震を含む災害の予防、応急対応、復旧を定めています。個人・家庭・事業者は、市の最新の地域防災計画、ハザードマップ、避難所情報を確認しておくことが重要です。〔松戸市「令和8年度修正 松戸市地域防災計画」|令和8年度〕<<2>>
まとめ
松戸市役所直下で震度7以上となる地震では、海洋巨大津波の可能性は低い一方で、建物倒壊、家具転倒、火災、断水・下水道停止、鉄道・道路麻痺、江戸川沿いの地盤・排水リスクが被害の中心になります。
松戸市単独でも死者は約500~2,000人、直接被害は約1.5~4兆円、首都圏への波及を含めた総経済損失は約4~12兆円に及ぶ可能性があります。ただし、住宅耐震化、家具固定、感震ブレーカー、初期消火、地域の助け合い、備蓄、事業継続計画によって、人的被害と復旧の遅れは大きく減らせます。
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